Skip to main content

はじめに

Laravel 10 は 2023年2月14日にリリースされました。このガイドでは Laravel 9.x から 10.x へのアップグレード手順を説明します。
アップグレードに必要な推定時間は 約10分 です。ただし、破壊的変更がアプリケーションに与える影響は規模や使用している機能によって異なります。

Laravel Shift を使った自動アップグレード

Laravel Shift を使ってアップグレードを自動化することもできます。Shift はアプリケーションの依存関係や設定ファイルを自動的に更新してくれます。

影響度別の変更点

影響度: 高

  • 依存関係の更新
  • minimum-stability の更新

影響度: 中

  • データベース式の変更
  • モデルの $dates プロパティの削除
  • Monolog 3
  • Redis キャッシュタグ
  • サービスモッキングの変更
  • 言語ディレクトリ

影響度: 低

  • クロージャバリデーションルールのメッセージ
  • フォームリクエストの after メソッド
  • パブリックパスバインディング
  • QueryException コンストラクタ
  • レートリミッターの戻り値
  • Redirect::home メソッドの削除
  • Bus::dispatchNow メソッドの削除
  • registerPolicies メソッド
  • ULID カラム

アップグレード手順

依存関係の更新

影響度: 高 composer.json の以下の依存関係を更新してください。
パッケージを使用している場合はあわせて更新してください。
PHPUnit 10 を使用する場合は、以下も更新してください。
PHPUnit 10 を使用する場合は、phpunit.xml<coverage> セクションから processUncoveredFiles 属性を削除してください。
更新後、以下のコマンドで依存関係をインストールします。
Sanctum 2.x から 3.x へのアップグレードには、Sanctum 3.x アップグレードガイドも参照してください。

minimum-stability の更新

影響度: 高 composer.jsonminimum-stabilitystable に更新してください。デフォルト値が stable であるため、この設定を削除しても構いません。

PHPバージョン要件

影響度: 高 Laravel 10 では PHP 8.1.0 以上 および Composer 2.2.0 以上 が必要です。

破壊的変更 (Breaking Changes)

アプリケーション

パブリックパスバインディング

影響度: 低 path.public をコンテナにバインドしてパブリックパスをカスタマイズしている場合は、Illuminate\Foundation\ApplicationusePublicPath メソッドを使用するよう変更してください。

認可

registerPolicies メソッド

影響度: 低 AuthServiceProviderregisterPolicies メソッドはフレームワークが自動で呼び出すようになりました。boot メソッドからこのメソッドの呼び出しを削除できます。

キャッシュ

Redis キャッシュタグ

影響度: 中 Cache::tags() は Memcached を使用するアプリケーションにのみ推奨されます。Redis をキャッシュドライバーとして使用している場合は、Memcached への移行を検討してください。

データベース

データベース式の変更

影響度: 中 DB::raw で生成されるデータベース式が書き直されました。式の生の文字列値を取得するには getValue(Grammar $grammar) メソッドを使用する必要があります。(string) へのキャストは使用できなくなりました。
エンドユーザーのアプリケーションには通常影響しませんが、データベース式を文字列にキャストしている場合は更新が必要です。

QueryException コンストラクタ

影響度: 非常に低 Illuminate\Database\QueryException のコンストラクタの第一引数に文字列の接続名が追加されました。この例外を手動でスローしている場合はコードを修正してください。

ULID カラム

影響度: 低 マイグレーションで引数なしに ulid メソッドを呼び出した場合、カラム名は ulid になります。以前のリリースでは引数なしで呼び出した場合、誤って uuid という名前のカラムが作成されていました。

Eloquent

モデルの $dates プロパティ

影響度: 中 Eloquent モデルの非推奨プロパティ $dates が削除されました。$casts プロパティを使用してください。

ローカライゼーション

言語ディレクトリ

影響度: なし 既存のアプリケーションには影響しませんが、新規の Laravel アプリケーションのスケルトンにはデフォルトで lang ディレクトリが含まれなくなりました。必要な場合は Artisan コマンドで公開できます。

ログ

Monolog 3

影響度: 中 Laravel の Monolog 依存関係が Monolog 3.x に更新されました。アプリケーション内で Monolog を直接使用している場合は、Monolog のアップグレードガイドを確認してください。 BugSnag や Rollbar などのサードパーティロギングサービスを使用している場合は、Monolog 3.x と Laravel 10.x をサポートするバージョンへのアップグレードが必要な場合があります。
Monolog 3.x の変更点は Monolog 3.x アップグレードガイドで確認できます。

キュー

Bus::dispatchNow メソッドの削除

影響度: 低 非推奨の Bus::dispatchNowdispatch_now メソッドが削除されました。Bus::dispatchSyncdispatch_sync メソッドを使用してください。

ルーティング

ミドルウェアエイリアス

影響度: 任意 新規の Laravel アプリケーションでは、App\Http\Kernel クラスの $routeMiddleware プロパティが $middlewareAliases に改名されました。既存のアプリケーションへの適用は任意です。

レートリミッターの戻り値

影響度: 低 RateLimiter::attempt メソッドを呼び出した場合、提供したクロージャの戻り値がそのまま返されるようになりました。何も返さないか null を返した場合は true が返されます。

Redirect::home メソッドの削除

影響度: 非常に低 非推奨の Redirect::home メソッドが削除されました。明示的に名前付きルートへリダイレクトするよう変更してください。

テスト

サービスモッキング

影響度: 中 非推奨の MocksApplicationServices トレイトがフレームワークから削除されました。このトレイトは expectsEventsexpectsJobsexpectsNotifications などのテストメソッドを提供していました。 これらのメソッドを使用している場合は、それぞれ Event::fakeBus::fakeNotification::fake に移行してください。

バリデーション

クロージャバリデーションルールのメッセージ

影響度: 非常に低 クロージャベースのカスタムバリデーションルールで $fail コールバックを複数回呼び出した場合、メッセージが上書きされるのではなく配列に追加されるようになりました。 また、$fail コールバックがオブジェクトを返すようになりました。バリデーションクロージャの戻り値をタイプヒントしている場合は更新が必要です。

フォームリクエストの after メソッド

影響度: 非常に低 フォームリクエスト内の after メソッドが Laravel によって予約されました。フォームリクエストで after メソッドを定義している場合は、新しい「バリデーション後」機能を活用するようリネームまたは変更してください。

まとめ

Laravel 10 は比較的小さな変更で構成されており、アップグレードは短時間で完了できます。

参考資料

最終更新日 2026年4月2日